音のない音楽⁈ 『4分33秒』
こんにちは。
今日はこんな曲をご紹介したいと思います。
その名も、『4分33秒』!
この曲について語っていきたいと思います。
無音、無音、無音
まず、この曲がどんな曲かを見ていきましょう。音楽は音を鳴らすものという常識を覆す「無音」の音楽である。楽譜には次のように記されており、左側が原語、右側は日本語訳である。
I
TACET
II
TACET
III
TACET第1楽章
休み
第2楽章
休み
第3楽章
休み楽章を通して休止することを表すtacet[1]が全楽章で指示されており、演奏者は舞台に登場してからは楽章の区切りを示すこと以外は楽器とともに何もせずに過ごし、一定の時間が経過したら退場する。
※Wikipediaより引用
4分33秒 - Wikipedia
なんと、始めから終わりの4分33秒間全く音を鳴らさない曲なのです!実際の曲はどうなのかというと、こちら。
素晴らしい音楽ですね!()
と、ここまで見るとただのギャグなのですが、この曲が作られた背景は結構真面目なものです。
1950年代初頭にケージが創始した偶然性の音楽、不確定性の音楽の最も極端な例である。偶然性の音楽には鈴木大拙の禅などの東洋思想の影響があり「音を音自身として解放する」「結果をあるがままに受け入れる」という姿勢がある。
1940年代末のある日にハーバード大学の無響室を訪れ、「無音」を聴こうとして無響室に入ったが「二つの音を聴いた。一つは高く、一つは低かった。エンジニアにそのことを話すと彼は、高いほうは神経系が働いている音で、低いほうは血液が流れている音。」だとのちに語った。無音を体験しようとして入った場所でなお、音を聴いたことに「私が死ぬまで音があるだろう。それらの音は私の死後も続くだろう。だから音楽の将来を恐れる必要はない」[3]と強い印象を受けて「無音の不可能性」をみたという認識が、後の『4分33秒』へ彼を導いた。
※Wikipediaより引用
4分33秒 - Wikipedia
音楽を楽譜という存在に囚われない存在へと引き上げる。日常の何気ない雑音を音楽として楽しもう、というメッセージがこの曲には込められているのです。
そういえば、この曲を演奏したメタルバンドもいます。
いかつい顔したお兄さん達が、4分33秒間ずっと棒立ちなのが非常にシュールです。始めの方の迫真のエアギターも面白いですね。
ASMRは現代の4分33秒だ
最近、ASMRというものが流行っております。
ASMR(英: Autonomous Sensory Meridian Response)は、人が聴覚や視覚への刺激によって感じる、心地良い、脳がゾワゾワするといった反応・感覚[1]。正式、及び一般的な日本語訳は今のところ存在しないが、直訳すると自律感覚絶頂反応となる。読み方は「アサムラ」「アサマー」「エー・エス・エム・アール」や「アスマー(エイスマー)」「アズマー(エイズマー)」が広まっている[2]。
※Wikipediaより引用
ASMR - Wikipedia
いわゆる耳の保養ってやつですね。
例えば、波の音であったり鳥の鳴き声なんかもこれにあたるかもしれません。
このASMRというジャンルも、普段何気なく耳にしている環境音を娯楽として楽しむものなので、ある意味4分33秒の目指す所と共通点があるかもしれません。
『4分33秒』という曲は一見ギャグのように見えますが、実は僕たちに"もっと何気ない環境音に耳を傾けよう"という気付きを与えてくれるのです。