Graham Coxonの 『Happiness In Magazines』を聴いてみた!
あえてblurから紹介しないスタイル。
今日はblurのギタリストである、Graham Coxonのソロアルバムについてご紹介したいと思います。
目次
ソニック・ユース、ダイナソーJr.、ペイヴメントなどから大きく影響を受けたローファイで独創的なギター・プレイを特徴とする。ビースティ・ボーイズやベックなども含むアメリカのオルタナティヴ/インディー・ロックシーンを好み、1997年以降のブラーを「脱ブリットポップ」路線に舵を取った中心人物であると言われる。
※Wikipediaより引用
グレアム・コクソン - Wikipedia
blurの音楽性は、XTCなどの系譜である捻くれポップにあると個人的に考えているのですが、それにおいてGrahamの目指す音楽性は異質であるように思います。というのも、上記のようにGrahamはアメリカのオルタナバンドの影響を強く受けており、イギリス特有のポップソングとは本来相容れないものであるからです。実際、blurがオルタナ路線に舵を切った5作目以降は水を得た魚のようにGrahamのギターが暴れまくります。
今回ご紹介するGrahamのソロアルバムも、そうしたアメリカのオルタナバンドに影響を強く受けたであろう作風に仕上がっております。
- アーティスト:Graham Coxon
- 出版社/メーカー: Parlophone
- 発売日: 2005/06/07
- メディア: CD
Spectacular
初期blurからは中々想像出来ないようなギターサウンドです。やはり目指す音楽性はこうありたいという強い意志を感じますね。
PVも中々にサイケデリックです。
このアルバムではこうしたギターサウンドを中心とした曲が主に収録されております。
Bittersweet Bundle of Misery
blurの『coffee and TV』に近い作風です。
Grahamの曲はゴリゴリのオルタナというより、どこか可愛らしいポップな作風であることが特徴です。これもblurにおけるキャリアの影響でしょうか。
You're beautiful,
君は美しい
I love to watch your face in the morning light
僕は朝日に照らされる君の顔を見るのが好きなんだ
You're really cool,
君は本当にクールだよ
I like the way we fight right through the night
僕は夜通しで口論になったのが好きだった
And the way we used to kiss was way out of sight
そして僕たちがキスしたことなんか忘れるんだ
But I can never hope to set you free
でも僕は君を自由にしたくない
'Cause you're my bittersweet bundle of misery
だって君は僕の惨めでほろ苦い思い出だからさ
blurの曲(というよりDamonの曲)はどちらかというとシニカルで、第三者目線のストーリーが多いのですが、Grahamの曲は自身の内面を赤裸々に語るような曲が多いように思います。本来はこうした曲をやりたかったのかもしれません。
そういえば、Grahamはblur在籍時の『You're So Great』レコーディングの際に、あまりの恥ずかしさに電気を消して机の下でレコーディングをしたという謎?エピソードが残されています。Grahamのそうしたシャイで不器用ながらも、自分の芯は曲げない性格が音楽性によく現れていると感じます。
Freakin Out
ハイテンポで、ギターとドラムが激しく掻き鳴らされる一曲です。
You are foaming at the mouth,
君は口から泡を噴き出している
you are mad without a doubt
間違いなく頭のおかしい奴だ
Cause I'm really freaking out
なんでかっていうと僕は本当にビビってるからだ
And I'm going out of my mind,
そして僕は気が狂いそうになるんだ
TV got me going blind
TVは僕を盲目にさせるんだ
And I'm really freaking out
僕は本当にビビってるんだ
シャイなGrahamのお茶目な一面が垣間見える一曲です。
こうして見ると、blurの目指すべき音楽性とは対極にあったのですね。DamonとGrahamは中学生時代からの付き合いであるまさに竹馬の友とも呼べる関係であったにも関わらず、脱退までに至ってしまった理由はこれらの曲を聴けばよく分かります。