極!!モーツァルト塾

自称サックス吹きが音楽について色々と語ります。洋楽多めです。

本物のアーティストとは?

こんにちは。

今回は、文献調査とアプリによるデータ解析にてあるテーマについて分析してみようという試みです。

 

 

SNS時代の創作活動

インターネットとスマホの出現により、以前に比べ、人前で自分の技能を披露することが容易になりました。

例えばYouTubeニコニコ動画TwitterFacebookをはじめ最近ではinstagramtiktok などのSNSというツールを通じた自己表現がこれにあたります。

そしてこれらのツールを駆使し、活動を続けながら才能を開花させ、一躍有名になる人たちが出現するようになりました。

最近でいうと、米津玄師さんがまさにそうですよね。彼もまた、ニコニコ動画というツールを駆使してVOCALOIDの作品を世に出しながら創作活動を続け、近年では「Lemon」といった大ヒット作品も手掛けています。

 

※下記サイトもご参考下さい

 

さて、そんな折にネットサーフィンをしていた所、とあるブログを拝見をさせていただきました。こちらのブログです。

 

何でも、アーティストを自ら名乗る人がTwitterをはじめとするSNSを中心に増えてきているみたいです。この方はそういったアーティストを自ら名乗るとある若者に対して色々と思うところがあったらしく、このようなことを書かれています。

アーティストとは、世の人々に才能と実績を認められて初めて名乗れるものです。


人々がアートに求めるものを体現するのがアーティストです。


アート舐めてんじゃねぇぞ、このくそガキが!

なるほど、人々にその才能を認められてこそ、アーティストである。そうでなければアーティストを語る資格はない。

僕もこの意見については概ね賛成しております。

 

例えば、以前の記事にて僕はこのように述べました。

そもそも才能というものは、他人が評価するものであって自分から言うものではありません。他人から評価されていないのに、自分は才能があると思い込んでいるのを何と呼ぶか?それを自己満足と呼ぶのです。

※下記記事より引用

 

アーティストと呼ばれる一つの指標として、その人の才能なり技能が第三者によって評価されて、はじめてアーティストと呼べるのではないかということですね。

しかし一方で、本物のアーティストと呼べる人は具体的にどんな人がいるのだろう?という疑問が出てきます。

 

前置きが長くなりました。今回はそういった、本当のアーティストとは具体的にはどんな人がいるのか、実在の人物を取り上げながら考えていきたいという試みになります。

 

死後230年経った今も、spotifyで450万人/月のリスナーを稼ぐ男

さて、今回取り上げる人物がこちら。

僕が愛してやまない偉大なる音楽家

そう!我らがヴォルフィーことヴォルフガング・アマデウスモーツァルトです!

モーツァルトがどんな人物かは最早言うまでもありませんね。みんながクラシックと言えばどんな人を思い出す?で真っ先に思い浮かべるあの人です!

※1700年代後半にウィーンを中心に活躍した、古典派と呼ばれる楽派の音楽家です。

音楽の授業をはじめ、スーパーの店内BGMやCMなどにも使われているため、日本人ならば知らない人は殆どいないのではないでしょうか?

という訳で、今回はこの偉大なる音楽家モーツァルトを取り上げながらアーティストとはなんぞや?について考えていきたいと思います。

 

まず考えていきたいのが、どれだけ人々の支持を集めているか?支持といっても、具体的にどれくらいの規模か分からなければ検証することが出来ないので、今回はspotifyというアプリのリスナー数/月で検証を行いたいと思います。

spotifyというのは、月額980円で世界中のあらゆる音楽を好きなようにストリーミングしながら聴くことができるアプリです。

spotifyはこの月額料を元手に、それぞれのアーティストの曲の再生数に応じて、報酬を支払うというシステムになっております。

 

さてまずは、このスクショを見て下さい。

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撮影日時は2020/1/20時点のものです。

画面に表示されているリスナー数というのは、月にどれだけの人がそのアーティストの曲を聴いたかを表しています。この時点でのモーツァルトのリスナー数は約450万人です。ここで重要なのが、リスナー数≠総再生数ということです。つまり、その月に曲をどれだけ聴いたかに関わらず、モーツァルトの曲を聴いた人が450万人いることを示しています。

 

一方、これだけではどのくらいの規模なのかが分からないので、現在活躍しているトップクラスのミュージシャンのリスナー数と比較してみます。

 

こちらはガガ様ことレディー・ガガの2020/1/20時点のリスナー数です。

人数にして約3050万人くらいでしょうか?

 

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それにしても、G(ゲー)A(アー)G(ゲー)A(アー)のドイツ音名でガガを表現するガガ様のセンスが凄いですね。これだけで、とてつもない音楽的な素養の持ち主であることが窺えます。

ガガ様といえば、僕はトニー・ベネットとコラボしてるこのアルバムが好きです。

 

チーク・トゥ・チーク [SHM-CD]

チーク・トゥ・チーク [SHM-CD]

 

 

ポップミュージックのみならず、ジャズまで手掛けるガガ様の才能には本当に底知れないものを感じます。まさに天才と呼べる存在ではないでしょうか。

 

話が逸れました。。

お次はエド・シーラン。

こちらは6540万人くらいでしょうか?

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またまた余談ですが、エド・シーランの「Shape of you」が好きです。歌詞がエロいですが。。

 

どうでしょうか?流石に現役で活躍するトップミュージシャンには及びませんが、それでも死後230年経ってなおトップミュージシャンの1/10のリスナーを稼ぐモーツァルトという男に僕は恐ろしさを感じます。

もはや亡霊です。

日本の現在の人口が約1.2億人ですから、世界中で日本の人口の約4割弱近くの人がモーツァルトの曲を聴いているということになります。

一つのコンテンツが廃れるサイクルがどんどん速くなっている現代において、これだけの年月を経てもなお、多くの人を魅了するモーツァルトは非常に希有な存在かと思われます。

もちろんこれはspotifyのみのリスナー数ですので、実際にはさらに多くのリスナーが存在していると考えられます。

 

また、過去の偉人たちもモーツァルトに対し、こんな言葉を残しています。

ベートーヴェン「いかなるときもわたしは自分をモーツァルトの最大の尊敬者の一人にかぞえてきましたが、これは最後の息を引き取るまで変らないでしょう。」


シューベルト:「おお、モーツァルト、不滅のモーツァルトよ。君は、より明るくよりよい生活についての快い映像を、どんなにたくさん、無限に数多く、私たちの魂に刻みつけてくれたことか!」

 

ショパン:死の床のショパンが、友人たちにいった。「みんなで何か演奏してくれないか。」チェリストのオーギュスト・フランショームが、「じゃ、君のソナタを弾こう」というと、ショパンは言った。「そりゃ、いけない。ほんとうの音楽を弾いてくれたまえ。モーツァルトの音楽を!」


ブラームス:「モーツァルトの音楽、とりわけピアノ協奏曲のような真の作品のすばらしさは、必ずしも誰にでも分かるものではありません。私たちのような者が書く音楽がもてはやされるのは、そのおかげなのです。」

 

スタンダール(「赤と黒」のスタンダールです)「私が生涯に情熱をこめて愛したのは、チマローザモーツァルト、そして、シェイクスピア、だけである。」


アインシュタイン相対性理論アインシュタインです。):「死とは・・・、モーツァルトが聴けなくなる、ということだ。」

※下記サイト様より引用

「ある音楽家の教養の程度は彼のモーツァルトに対する関係で分かる。」昨日はモーツァルトの命日。 : JIROの独断的日記エキサイト版

 

ここまで来ると最早宗教じみていますが、しかしいつの時代であれモーツァルトの作品が人々を魅了してきた証左に思えます。

特に面白いのが、有名なアーティストですら、自分を謙遜してモーツァルトをリスペクトしている点です。ここまで、数々のアーティストからリスペクトを集める人物はそうそういないのでしょうか?

 

これこそまさにアーティストではありませんか?

 

とどのつまり、アーティストとは?

さて、ここまでを総括した僕の結論はこうです。

アーティストと呼べる条件は、その人物ではなくその創作物が純粋に評価されている状態である。つまり、その人物が評価されるからアーティストと呼ばれるのではなく、作品が評価されるからその人物がアーティストと呼ばれるのだと考えます。

ふむ。いざ書き出してみると当たり前のように思えますね。しかし、だからこそモーツァルトのように死後何百年と経った今も、素晴らしい創作物を世に生み出した人物は"アーティスト"として評価されるのだと思います。

 

ただのホラ吹きで終わるのか、それともアーティストとして大成するのか

こうして真面目に分析してみると、何の実績も無いのにアーティストを自称をすることがいかにばかばかしいかがよく分かります。

自分がいかに素晴らしいかをアピールする暇があったら、その時間をひたむきに創作にあてれば良いのにと思ってしまいます。

そうした地道な活動を続けていれば、花開くかもしれないのに…(いや、もしくは開かぬか)。

いずれにせよ、アーティストという道はまともな精神では耐えられない世界のように思えます。まさに修羅の道です。その修羅の道を歩き続ける精神こそが、アーティストの本質なのかもしれません。