今更アーティスト紹介 #8 blur 〜オルタナ期編〜
こんにちは。
前回はblurのBrit Pop期のアルバムについてご紹介させていただきました。
今回は、そんなポップミュージックを作り続けてきたblurがオルタナバンドとして劇的な変化を遂げるオルタナ期についてご紹介させていただきたいと思います。
blur〜縦横無尽に駆け巡るGrahamのギター〜
「Brit Popは死んだ」
ボーカルであるDamonの言葉とともにリリースされた一作。
このアルバムでは、それまでのシンセサイザーやストリングスといったアレンジが抑えられ、ギターサウンド(もちろんGrahamの)が強調されております。
前作までの突き抜けた明るさも消え、全体的に暗い雰囲気が漂っております。
『Beetlebum』
1曲目から、既に「これはBrit Popではないぞ』という意気込みを感じられます。これがあのblurなのか?という衝撃的な始まりです。
「beatlebum」というのは、blurによる造語なのですが、その意味も「ドラッグに溺れるクズ野郎」という意味らしいです。どこかおちゃらけた雰囲気のあったblurがかなり過激な歌詞を書いています。
『Song 2』
攻撃的なドラムとギターが鳴り響く1曲。blurの中でも人気の曲です。ここに来て、Grahamの本性が出てきましたね。
実を言うと昔、これ以降のアルバムが好きではありませんでした。「今まであんなにおちゃらけたのに一体どうしちゃったんだよ!?」といった絶望感が漂い過ぎていて、聴くのが辛かったのかもしれません。USのオルタナバンドを知るきっかけになったのは間違いなくこのアルバムで、今ではすっかりハマっているクチなのですが笑
しかし今、ふとこのアルバムの曲を聴いてみると、blurとしての音楽性を真剣に模索しながら生み出されたものなのだと感じます。元々色々なジャンルの曲を作ってきた人たちですからね。
『You're So Great 』
Grahamが作詞、作曲を手掛けた一曲。Graham流のオルタナ節全開です。本当にこういう曲をやりたかったのだなと肌で感じられる作風です。
僕がUSのオルタナバンドを知るきっかけになったのは間違いなくblurのこのアルバムなのですが、その中でもGrahamの趣味全開なこの曲は好きですね。
13〜オルタナバンドとしての傑作〜
- アーティスト:ブラー
- 発売日: 2013/12/25
- メディア: CD
ジャケットが非常に不気味です。そのイメージ通り、アルバムの内容も暗いものが多いです。正直の所、4作目までの雰囲気とあまりにもかけ離れているのでファンの中でも評価が分かれる問題作です。
一方で本作以降、blurやメンバー各々のソロプロジェクトが活発になり始め、音楽性の更なる広がりを見せるようになります。そういった意味で、このアルバムはblurにおいての重要な作品と言えるでしょう。
『Tender』
ゴスペルの要素が取り入られた一曲。このアルバム以降、こうしたアフリカ音楽の要素が含まれた曲が出てきます。こうしたワールドワイドな世界観はDamon自身の影響でしょう。
Grahamの「Oh My Baby〜」が哀愁を漂わせております。
『Coffee and TV』
この曲はGrahamが作詞を手掛け、Damonが作曲を手掛けております。 個人的に13で1番好きな曲です。アルバムの中で1番聴きやすいというのもありますが…
明るい曲調なのに、どこか暗い雰囲気のある歌声と途中で流れるノイジーなギターソロが不安を煽ります。雨の日に何もしたくないような気分のときに聴きたい曲ですね。
Think Tank〜Graham脱退後最後の一作〜
さて、そんなblurですが本アルバムのレコーディング中に音楽性の相違からギタリストであるGrahamが脱退します。元々Brit Popとは異なるものを志していたのである意味仕方ない選択だったのかもしれません(その後戻ってきますが)。
そんな本アルバムですが、前作から続くアフリカ音楽などのワールドワイドな世界観がより洗練された一作となっております。
『Out Of Time』
イラク戦争へ向かう兵士について描かれた曲です。曲もアラブ音楽の要素が取り入れており、ここに来てまたそれまでとは異なった世界をblurは見せてくれます。
『Good Song』
シングルカットされた曲です。このアルバムでは、全体的にスロー〜ミドルテンポの曲が多く静かな雰囲気があります。
Fatboy SlimのNorman Cookをプロデューサーとして迎え入れていることから、電子音楽の要素も所々感じられます。
そんな訳で、blurのオルタナ期についてご紹介してみました。USオルタナバンドを知る最初のきっかけであったこともあり、かなり思い入れの深いアルバム達です。そんなアルバムをこれからも聴いていきたいと思います。
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